差別化は、SaaSでは解けない
業界共通の課題はSaaSが解きました。残っているのは、その会社にしかないやり方です。人で支えてきたそれを、どう仕組みに移すか。
相談は、いつも同じところで止まる
経営者の話は、途中まで同じです。
うちには他所にないやり方がある。それを支えてきたのは、特定の人です。その人がもう採れない。若い人は来ない。人件費も簡単には増やせない。だからAIを使えないかと考える。ところが、何を選べばいいのか分からない。
そして最後はこうなります。とりあえず、セミナーでも受けさせるか。
ここで止まるのには理由があります。道具を探しているのではないからです。誰に頼めばいいのかが分からない。
業界共通の課題は、もう解かれている
経理、労務、勤怠。建設なら工程管理や写真台帳。この手の業務は、どの会社でもやることがほぼ同じです。型が決まりきっている。だから、そこで差はつきません。
すでに良いツールがあります。私たちも顧客に既存のSaaSを勧めます。作りません。
海外で先にSaaSが広がったのは、業務のほうが先に揃っていたからです。職務が文書で決まっていて、人がそれに合わせて動く。会社ごとの「うちのやり方」が、そもそも少ない。合わない会社は退場します。米国の5年後生存率は48.9%、日本は81.7%。合わないまま長く残るのが、日本の中小企業です。
だから、SaaSで埋まらない区間が必ず残ります。
預けていい業務と、預けたらいけない業務
線の引き方は一つです。
それを入れた結果、自社のやり方をそのツールの都合に合わせ続けることになるか。
経理は、なってもかまいません。仕訳の切り方が多少使いづらくても、顧客が離れることはない。コストの悩みにはなりますが、それだけです。
受注から原価までを乗せると、話が変わります。値付けも工程も、ツール側の更新に引きずられる。顧客に価値が届くまでの流れに乗っている業務は、預けない。ここだけは守ります。
そして、この「預けない側」に残るものが、その会社の差別化です。
8万行を、誰も使わなかった
化粧品メーカーで品質管理をしていた頃、VBAとAccessで管理システムを作りました。8万行。一人で書きました。
誰も使いませんでした。
理由はあとから分かりました。現場に一度も聞きに行っていなかったからです。私は、正しいものを作れば使われると思っていました。
同じ会社で、生産管理システムも入れました。現場は紙、品質管理はデータ。そこに新しいシステムが乗って、入力だけが増えた。一部だけを最適にしたので、効率化のために入れたものが、全体の詰まりになりました。
このとき私は、現場を見ずに決める側にいました。今、同じことをしている会社を訪ねています。
お金より先に、使えるものを出す
私たちは、契約の前に作ります。
提案書ではありません。本番で使えるものを、実際に構築して渡します。2〜3ヶ月かけて、費用はいただきません。運用のイメージが湧いてから、契約するかどうかを決めてもらいます。
創業融資の相談で、月額収入があるなら運転資金は要らないのでは、と言われました。要ります。この2〜3ヶ月が無収入だからです。
順番を逆にしない。
なぜそこまでするのか。ITやAIに不信感を持つのは当然だからです。高いものを入れて、変わらなかった経験がある。その相手に、口で説明しても届きません。
使われ方ではなく、売られ方から逆算して作られたソフトが増えました。その積み重ねが、いまの不信感です。私たちはそのコストを、自分の運転資金で払っています。
差別化を、人から仕組みへ
差別化がある会社は、それを人で解いてきました。あの人の判断、あの人の段取り。会社の強みそのものです。
その人が採れなくなったからといって、やり方を捨てて標準に合わせるのは逆です。捨てるのは、会社の中身のほうになります。
共通の課題は、SaaSに。
残ったものが、その会社です。
だから、私たちの仕事はここにあります。
私たちは、その人のやり方を、その人の手柄のまま仕組みに移します。標準に合わせるのではなく、御社のやり方に道具を合わせる。作ったものの所有権は御社に残しますし、価値が出せなくなればいつでも切ってください。製造業から来た人間として、それが当たり前だと思っています。
よくあるご質問
- 契約前に作ってもらったものは、契約しなかった場合どうなりますか?
- そのまま置いていきます。返却も削除も求めません。使えると判断されなかった時点で、私たちの側に理由があります。作ったものを人質にして契約を迫るなら、最初から先に出す意味がありません。もちろん、その後に別の会社へ引き継いでいただいても構いません。
- 既存のSaaSを勧められることもありますか?
- あります。経理、労務、勤怠のように、業界の中で型が決まりきっている業務は、既存のツールのほうが安く早く確実です。私たちが作るのは、そこでは埋まらない部分だけです。全部を自社開発にする提案はしません。
- どのくらいの規模の会社が対象ですか?
- 50名から100名くらいの、現場を持つ会社が中心です。50名を下回る規模では、社長が全体を見渡せるので仕組みがなくても回ります。100名を超えると、部門ごとに事情が分かれて、一本の設計では収まらなくなります。製造、建設、卸、食品加工などでお付き合いがあります。
- 自社の差別化が何なのか、社内でも言葉になっていません。
- そのほうが普通です。20年続いている時点で、何かで選ばれています。ただ、それは日々の判断の中に埋まっていて、社長でも説明しづらい。現場に入って、誰が何をどう判断しているかを一緒に見ていくところから始めます。ヒアリングを工程に入れているのはそのためです。
- 作ったあとの運用は誰がやりますか?
- 最初は私たちが現場に入って、使われるところまで見ます。そのうえで、社内の担当者に渡します。システムの所有権は御社に残るので、別の会社に保守を移すことも、自社で手を入れることもできます。
技術は真似できる
定着させるノウハウが、弊社の強みです。
まずは相談してみる
現状を整理してみる、くらいの気持ちで大丈夫です。
見せていただいた作業を、動く画面にしてお返しします。